日本におけるCEO報酬の上昇は、独立性と情報開示の重要性を示唆 欧州モデルに近づく日本の役員報酬

従来、日本企業のCEO報酬は、集団的責任や終身雇用といった文化的規範を反映し、安定した固定報酬を重視し、グローバルスタンダードと比較して控えめの水準であった。しかし近年は、特に日本人以外の役員を擁する企業や海外売上比率が高い企業の間で、徐々に変化が見られるようになっている。この傾向の背景には、グローバル化する市場において、優秀な経営人材を惹きつけ定着 する必要性や、企業価値を高めるためにリスクテイクを促進したいという願望がある。

本レポートでは、グローバル展開が進んでいる製薬業界と自動車業界に焦点を当て、日本におけるCEO報酬の変化を検証。これらの業界は激しい国際競争に直面し、優秀な人材とグローバルな市場戦略を必要とするため、報酬の変化を検証するのに適していると考えられる。